分析!!ライトノベル~ラノベ旧刊から新刊まで~

ゼロの使い魔4

ゼロの使い魔〈4〉誓約の水精霊 (MF文庫J)
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あらすじ

異世界ハルケギニアに使い魔として「召喚」された才人は、相変わらずご主人様であるルイズに犬扱いされていた。ある日、ルイズは敵軍を撃退した件で、王女アンリエッタに呼び出される。ルイズが伝説の『虚無』の使い手として知れ渡り、敵に狙われることがないよう、心を砕いてくれる王女。そんな彼女に改めて忠誠を誓うルイズと、ルイズを助けることを約束させられる才人。だが、全てがうまく収まったように見える裏で、アンリエッタは好きだった亡きウェールズ王子を想って沈んでいた。そんな彼女の心につけいるように、敵軍レコン・キスタの策略が動きはじめ……異世界を舞台にしたラブ&ドラマティックストーリー、第4弾!(『ゼロの使い魔4』より)

感想

才人の浮気もルイズのお仕置きもパワーアップした第4巻です。

ルイズが才人への好意を抱いていても、プライドが災いして素直な気持ちが言えない様子には、何とも言えないもどかしさと可愛さを感じます。

いつも情熱的なキュルケがタバサの何気ない動作を見て、その心情を察して気を利かせる場面があり、心温まりました。そして同時に、作者の何気ない動作と心情を結びつける技量に感心しました。

さらに、作者の文体は、飾り気こそありませんが、描写は丁寧な為、心情の表現は抜かりありません。

普段は様々な女の子に愛されて鼻の下を伸ばしている才人ですが、いざとなるととても理性的かつ紳士的で、巻を重ねるごとに成長していることがよく分かります。彼を見守る読者としてはとてもうれしいことです。

さて、作者はあとがきでこの作品を「水がテーマの哀しい話」と評していますが、私はもう一つ別のテーマを感じました。それは「偽りの愛」です。というのも、今作では才人とアンリエッタの2人がそれぞれ偽りの愛に苦しめられます。やや重いテーマの気もしますが、だからこそ読者を色々と考えさせる、メッセージ性のある作品となっています。

今作品は、内容のこともあり、エロ描写が多用されています。しかし、「イラッ」とすることはありませんでした。一つ一つが新鮮で、かつ押し付けがましい感じがしないからでしょうか。

分析

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