分析!!ライトノベル~ラノベ旧刊から新刊まで~

ロウきゅーぶ!②

ロウきゅーぶ!〈2〉 (電撃文庫)
ロウきゅーぶ!〈2〉 (電撃文庫)蒼山 サグ てぃんくる

アスキーメディアワークス 2009-06-10
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あらすじ

部長のロリコン疑惑から一ヶ月、ようやく周囲の噂も落ち着いてきた今日この頃。バスケへの想いを再燃させてくれた大恩ある少女たち五人のため、昴は再び慧心学園バスケ部のコーチに返り咲く。そして彼女たちのさらなる成長を目指し、小学校で合宿を行うことになったのだが、解決しなくちゃいけない問題は山積みで、「ふぁ…見てる。昴さんが、こっちっ」「ひな、おにーちゃんに見て欲しいなー」「……まー、すばるんもヒトノコだしな」「えへへ。紗季ちゃんはどうなのかな?」「ちょっと私まだそういうのは興味がっ」それ以上に色々な意味での問題が山積みでして――!?悩み多き少女たちに振り回されつつも、さわやかローリング・スポコメディ!②(『ロウきゅーぶ!②』より)

感想

今回は、球技大会に向けての合宿の話がメインです。

まず気付いたのが、前回に比べて、文体がとてもユーモアに富んでいることでした。これは作者の技量が向上したからなのか、はたまた語り手の昴が元気になったからなのか。おそらく両方だと思います。

前回同様、ミホ姉は色々とすっ飛んだことを考え、やらかしますが、やはり教育のこととなると妙に説得力を持ち、共感せずにはいられません。

今回は訳あって男子バスケ部の竹中も合宿に参加します。昴が竹中と心を通わせ合い、竹中の心を少しづつ開いていくという、男同士の友情も見どころです。

今回は前回と違い物語にあまり緊迫感は漂っていません。しかし、それでも大会に向けて、各々が自分に出来ることを考え、一心不乱に練習に取り組む姿には心打たれます。

そしていざ大会の場面ですが、ページ数でみると、今回は前回の半分もありません。しかし、前作よりも少しルールや動作が分かりやすく、ゆえに前作よりも試合が分かりやすいような気がしました。前回少し残念に思った所が改善されており、作者の向上心が伝わってきました。

個人的には、「精神論は時に容易く理屈を飛び越える」と応援の力を認める昴、ひいては作者に、私は「あんたも分かってくれるか!?」と大きな共感を感じ、とても嬉しくなりました。

このように内容と文体はいいのですが、少し問題があるのは挿絵のほうです。カバーと口絵のカラーイラストがどう見てもエロゲーにしか見えません(笑)。手が込みすぎていて、私は逆に引いてしまいます。文中の白黒イラストのほうは、文と調和していてなかなかいいのですが。

分析

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