分析!!ライトノベル~ラノベ旧刊から新刊まで~

偽物語(上)

偽物語(上) (講談社BOX)
偽物語(上) (講談社BOX)西尾 維新 VOFAN

講談社 2008-09-02
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あらすじ

“ファイヤーシスターズ”の実戦担当、阿良々木火憐。暦の妹である彼女が対峙する、「化物」ならぬ「偽物」とは!?台湾の気鋭イラストレーターVOFANとのコンビも絶好調!「化物語」の後日談が今始まる――西尾維新ここにあり!これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、ほんものになるための戦いだ。(『偽物語(上)』より)

感想

偽物語上巻です。「かれんビー」が収録されています。本のタイトル通り、「本物と偽物」について最初に問題提起し、以後それをテーマとして話は進んでいきます。

序盤・中盤はシリーズ持ち味の馬鹿で楽しく軽やかで深い掛け合いであっという間にページが進みます。カッコを利用した補足による濃い会話が展開されています。

終盤の兄妹喧嘩シーンは見どころです。意見のすれ違った兄妹が繰り広げる喧嘩は、格闘バトルレベルのガチなもので、バトル物を読んでいるような面白さを味わえます。

さて、個人的意見になってしまいますが、今回の主役である阿良々木火憐は最高のキャラです。技の強さと意志の強さを併せ持った可愛い少女。いったいこれ以上何を求められるでしょうか。そして怪異によって弱ったところを暦に看病してもらう場面までついていて、もう願ったり叶ったりとはまさにこのことではないかという位です。

それに対し、既存のキャラについては、容姿が変わったキャラが多いのですが、どうもそれが均質化というか独自性低下の方向に向いているような気がして、正直少し残念です。

巻を重ねるごとにエロい場面・発言が増えているように思いますが、エロさを売っている感じではなく、総じてギャグに利用しているので、楽しさを重視したこの小説にはプラスに働いているように思います。パッと見の品格がある程度下がってしまうのは仕方がありませんが。

分析

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