僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない2
僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない 2 (ガガガ文庫) | |
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あらすじ
栗原駿は横浜で平凡な生活を送る高校二年生。唯一こだわりを持っているのは、旅行先で美味しいものを食べることだったが、夏休みの信州への旅で出会った北見美優と宮田くれあは知識も行動力も満載の鉄子で、駿はその「鉄子ワールド」に翻弄されまくる…そして、その過剰な旅に少し面白さも感じてしまったのであった。偶然にも同じ学校の生徒だった3人はまた再会し、駿が見てみたいという「海の見える駅」を目指すことになるが、鉄子の仕切る旅が平穏に進行することはなく……。鉄道旅の魅力満載の青春トラベル小説待望の第2弾登場! (『僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない2』より、一部修正)
感想
鉄道絡みという希少(かつマニアック?)なシリーズの2作目です。今回も安定した面白さで旅行気分に浸ることができました。
前作の「山」とはうって変って今回の舞台は「海」に。「夏×海」という王道ですが、旅という視点から見るとまた違った面白さがあります。
前半にまず学校でのニヤニヤ出来る話が一つ。オチはすぐに見えるのであとは駿の鈍さを楽しむのみです。男が鈍いのはお約束ですね。
中盤からはいよいよ海での休暇。とはいえ、やはり電車での移動は繰り返すので、色々な駅の風景を見ることができ、そこに駿がハマっていくのが見どころだと思います。読者は景色を直接見ることは出来ませんが、彼が言ってくれる主観的な感想のおかげで、一気にムードが上がります。
そうしているうちに、あるきっかけから、「事件&解決」的な流れに入ります(ネタはやはり鉄道絡み)。解決後は比較的あっさりと旅行は終わり、次回への前ふりとなります。
駿は前作に引き続きおいしい食べ物を求めて走り回ります。彼が存在感を出す数少ない場面です。美優もいつも通りに鉄オタ全開。宮田さんは大人びた雰囲気で全てを見通し、由佳さんと高千穂はなぜか意気投合してはしゃぎ回っています。ちなみに扉絵を見ればすぐに分かりますが、今回の旅は高千穂同伴です。
挿絵について。なかなか魅力的な絵なのですが、本文と一致しない部分があり、少し気になりました。素材の都合とかかもしれませんが。
個人的にはとても面白い作品でしたが、やはり鉄道というテーマが大きいため、読み手を選ぶ作品かもしれません。
分析
- 内容:3
- 描写:3
- 文体:3
- 挿絵:4
- 情熱:3
- 萌え:5