分析!!ライトノベル~ラノベ旧刊から新刊まで~

ロウきゅーぶ!⑪

ロウきゅーぶ! (11) (電撃文庫)
ロウきゅーぶ! (11) (電撃文庫)蒼山 サグ てぃんくる

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あらすじ

真帆のお父さんの計らいで、小さいながらも初めての大会に参加する慧心女バスの五人。気合い十分の彼女たちの前に立ちはだかるのは、五年生と昴の誕生日!?「手作りのものって……何があるかな?」「紗季、ご指導よろしくお願いします!」「まずリボンを自分の身体に巻いて――」「すばるん。プレゼントは、あ・た・し」「おー?それ、ひながやりたいかも?」感謝を込めた誕生日会を過ぎれば、あとは一気に初大会へ向けて試合モード全開!バスケ部存続+お手伝いをかけた五年生との再戦に、五人の想いと友情が炸裂っ!?そして試合後に待っているものとは――。悩み多き少女たちに翻弄されまくりな、さわやかロリーング・スポコメディ⑪!(『ロウきゅーぶ!⑪』より)

感想

プロローグで後半の一部(今回は恒例の詐欺でない)、前半がパーティー、後半がバスケの構成ですが、今作の感想をを一言でまとめるなら、「ぶっとばしてるなー」と言いたいです。どういうことかというと、アニメの反響もあってか、昴が「まったく、小学生は最高だぜ!!」に類する危ない独白をしまくっています。さらに「智花さん」も大活躍だし…

前半は昴の誕生日ですが、遂に昴は味覚まで使って小学生を堪能しはじめます(!?)といっても別に舐めまわす訳ではありませんが。昴のユーモアに富んだ感想も多く(この中に上述の独白を含む)、読んでいて面白く、見る者に眼福を与え(?)またホンワカとしていて楽しく幸せな場面です。

あと味の描写がやけに細かくリアルです。作者の新たな力を垣間見た気がします。

後半は大会ということで、何試合かありますが、重点を置く試合をとことん描いてあとは軽く流す感じです。大会だからと言って全部隅から隅までびっちり描かれても、読んでいて気力を消耗するので、今回は丁度いいくらいの分量だと思いました。

試合前に昴が独白した「長年の遺恨は簡単に言葉では埋まりそうもない。あとはバスケットボールを通して、心を通わせるしかないのだろう。」という言葉は、この作品の在り方を象徴するように思いました。

実際に試合場面を読んで感じたのは、もうバスケ部のみんなの技術が、ある程度完成に近づいているということです。もちろんいいことなのですが、この状態から「意外性」や「運の要素」を出していくのは難しくなっていくのではないかと思います。その点は続刊でどうなるのかが楽しみです。

今回は「未来」を意識した話題が多くなっています。物語の舞台も11月となり、そろそろ進学・進級が少しづつ意識され、タイムリミットが刻一刻と近づいてきている雰囲気です。

全体を通して、ロリ・スポのバランスがとれた回だと思いました。今回で五年生との対決編?は一件落着ですが、バスケはまだまだこれからという感じに落ち着いています。次巻はおそらく学園祭となりそうなので、バスケ要素を次に見れるのはもう少し先になるかもしれません。

表紙については、個人的にいつもと比べてけっこういい絵だと思うのですが、その他はいつも通りの雰囲気です…。また、いいか悪いかは別として画風に若干の変化が見られます。

分析

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