涼宮ハルヒの消失
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫) | |
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あらすじ
「涼宮ハルヒ?それ誰?」って、国木田よ、そう思いたくなる気持ちは解らんでもないが、そんなに真顔で言うことはないだろう。だが他のやつらもハルヒなんか最初からいなかったような口ぶりだ。混乱する俺に追い打ちをかけるようにニコニコ笑顔で教室に現れた女は、俺を殺そうとし、消失したはずの委員長・朝倉涼子だった!どうやら俺はちっとも笑えない状況におかれてしまったらしいな。大人気シリーズ第4巻、驚愕のスタート!(『涼宮ハルヒの消失』より)
感想
世界がいつの間にか変わってしまったというダイナミックな物語です。まず、変わってしまった各人物の姿や、脱出ゲーム的な雰囲気をにじませる内容が見どころです。長門の姿は日常から大きくかけ離れており、文から伝わってくる現実喪失感は思わず身震いしてしまうほどです。しかし、一番の見どころは、事件に巻き込まれたことをきっかけとして、キョンが自問自答を繰り返し、答えを導いていく姿です。「失って初めて分かる」とはまさにこのこと。やはり人が成長していく物語は素晴らしいです。
毎度のことながら、文章はテンポよく、読んでいて気持ちがいいです。自問自答が醍醐味の今作品、一人称形式の良さが存分に発揮されています。
分析
- 内容:4
- 描写:3
- 文体:5
- 挿絵:4
- 情熱:4
- 萌え:4