分析!!ライトノベル~ラノベ旧刊から新刊まで~

偽物語(下)

偽物語(下) (講談社BOX)
偽物語(下) (講談社BOX)西尾 維新 VOFAN

講談社 2009-06-11
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あらすじ

“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、西尾維新が今、<物語>を根底から覆えす――これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、にせものだけでは終らない。

感想

偽物語下巻には「つきひフェニックス」が収録されています。テーマは上巻と同じく「本物と偽物」ですが、その意味は上巻よりも直截的なものとなっています。しかしそれはそれで相変わらず考えさせられることが多いです。

まず序盤は早速暦と火憐のイチャイチャパートから始まります。肩車に歯磨き。これだけのことなのに正直かなり萌えます。とくに歯磨きに関しては、「違う次元の話になるまで首の皮一枚」という感じの大したものです。

その後例によって笑いの止まらない八九寺とのギャグパートを挟んだかと思うと、今度は月火に手を出す暦。今回の彼は妹とイチャつき放題です。

しかしそんな屈折した兄妹愛だけでなく、暦は本当の兄妹愛も見せてくれます。終盤になると物語が動き出し、月火に関する怪異が明らかになります。その時に三兄妹で絆を確かめ合う姿にはちょっと心を打たれます。

そしてこの時動くのは暦です。この辺りが上巻と対極的な部分であり、見どころでもあります。このときのバトルでは、どこか抜けた感じもしますが、ちゃんと理由もあるし、もしそれが無いとしてもこのシリーズらしいバトルといえばそうです。しかし暦が妹を想う気持ちがこのバトルの根にしっかりと存在するのは言うまでもありません。

しかしその流れ故に月火があまり活躍出来ていない感じもして少し残念です。ただしこのシリーズを見ていると、既存キャラの活用がとても上手いので、彼女の活躍については続刊に期待できそうです。

ところで今回は上巻の流れにに引き続き、戦場ヶ原が普通になってしまいました。今回彼女は実際には登場していないので、これが吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、個人的にはどちらかと言えば残念です。

分析

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